琉球畳

みなさんは、琉球畳をご存知でしょうか。 最近では増加傾向にある畳縁が設えられていないサイズは半畳程度の畳であり、市松模様があしらわれている物を琉球畳と称しています。
なお、洋室ではなく和室に設置している畳や置き畳においても、同じように琉球畳と称していることもあります。

「琉球」という言葉からは、たくさんの人が沖縄地方を創造するのではないでしょうか。その想定は正しく、琉球畳の源流は沖縄地方の畳として認知されています。
琉球畳の主たる材料は、沖縄地方で栽培されている藺草やカヤツリグサ科に該当する七島イなどです。 一般的に使用されている藺草と比較すると、イグサの素材そのものが太い傾向にあり、表皮が有する強度も高くなっています。 このイグサの最大の特徴は、イグサが丈夫であることです。そのため、イグサの強度が低い畳では設えなければならない畳縁を必要としません。 従って、畳縁を設えなくて良い畳を製作することができるのです。

昔の畳は、大半が畳縁を設えていませんでした。 そのことから、畳の角に該当する部分の強度が弱かったため、経年劣化への耐性が非常に弱く長年使用することに耐えられなかったのです。
それらの背景があり、畳の角を補強することが喫緊の課題となっていました。長年に渡る検討の結果、畳の角に該当する部分の強度を向上させるために用いられるようになったのが畳縁なのです。 畳縁が普及してからは、これらが一般的な畳として認知されるようになりました。

ここ最近では、長年の使用に耐えることだけを目的としているのではなく、デザイン性にも配慮されており畳縁がないタイプの畳は非常にオシャレとなっています。 畳コーナーの一部や和室などにも頻繁に使用されており、上述した琉球畳の特徴であるカヤツリグサ科に該当する七島イを使っていなくとも、畳縁がない畳は琉球畳と称されるようになりました。

また、現在では昔と比較すると畳を製作するうえでの技術が向上していることもあり、藺草やカヤツリグサ科に該当する七島イではなく、 一般的なイグサを使用していても畳縁のない畳が製造可能となっています。
なお、一般的なイグサを使用して製作されている畳縁のない畳を、カヤツリグサ科に該当する七島イと差別化するために琉球風畳と称しているものもあります。

琉球畳の歴史

琉球畳の歴史は、非常に古いものとなっています。 現在の沖縄である琉球王国において、日常生活を送るにあたって畳が導入されたのは江戸時代にまで遡ります。 江戸時代は西暦1603年からとなっており、現在の鹿児島県である薩摩藩が琉球王国を支配下に入れたのが1609年となっています。 実際に日常生活において琉球畳が使用されるようになったのは1609年以降とされています
当時からの歴史では約410年が経過しており、昔ながらの琉球畳もあれば現代風にアレンジされている琉球畳もあります。 現在においては、畳を求める人のニーズに合わせた多種多様な琉球畳が展開されているのです。

琉球畳のメリット

琉球畳のメリットは、さまざまです。 フロアカーペットおよびタイルマットに近い形で使用することが可能であり、 単色ではなくさまざまな色合いを組み合わせることによってデザイン性の幅が広がることから、おしゃれな空間を創出することができます。
また、上述したように琉球畳は畳縁が設えられていないのが特徴的であることから、和室だけでなく洋室にもマッチさせることができ、見た目をスッキリとさせることができるのです。
ここからは、琉球畳の具体的なメリットをご説明したいと思います。

多彩な色のバリエーション

琉球畳の最大の特徴は、畳縁が設えられていないことです。 畳の存在感は和室において大きく発揮することができ、デザイン性が高いことからインテリアとしても定着していると言っても過言ではないでしょう。 また、最近では和室をおしゃれな空間として創出されることを求めている方も多いため、それらのニーズに応えるためにもカラーバリエーションが非常に多彩となっており、注目を集めています。

ブラウンおよびグレーなどの落ち着いた色合いの琉球畳から、ピンク・ブルー・オレンジといったひじ用に明るい色合いの琉球畳まで幅広く取り揃えられています。
一般的な畳では色合いが緑であるものを連想しやすいと思いますが、落ち着きのある雰囲気を重視した空間創出を演出したいケースにおいても、 濃い緑と薄い緑とを組み合わせたカラーとすることによって、少しモダンな雰囲気を演出することができます。

洋室との親和性

畳と聞くと、和室にしか合わないといった限定的な使用を求められると思っている方も多いのではないでしょうか。 しかし、琉球畳はそのデザイン性やカラーバリエーションなどによって和室との親和性も高いと言えます。

琉球畳は、畳縁がない畳であるとこが最大の特徴です。 そのため、畳縁がある畳と比較すると見た目は非常にスッキリとしたものにすることができるのです。
また、洋室全体に琉球畳を設置する必要はありません。 タイルマットを連想していだきたいのですが、そのように敷き詰めることによって部分的に畳の空間を創出することができるのです。 例えば、洋室の一角だけ琉球畳を敷き詰めたとしても部屋全体の空間としては違和感なく使用することができるでしょう。

琉球畳はカラーバリエーションが豊富であるため、フローリングの色合いに合わせて調和を取ることができます。 ベージュおよびブラウンのカラーで構成されている琉球畳を使用して市松模様を作り出すことによって、部屋全体の雰囲気は非常に温かなものとすることができるでしょう。

一方、別の考え方としてあえて本物の琉球畳を使用するのではなく、「琉球風」である畳縁のない畳を選択しても良いでしょう。 本物の畳はい草を使用していますが、い草以外の素材としてはポリプロレンおよび和紙などの素材もおすすめです。
これらの素材には、ダニおよびカビの繁殖を予防できる付加価値が備えられているため、非常に衛生的に使用することができます。 大人の方はもちろん、小さな子供がいるご家庭においても安心して使用することができるのではないでしょうか。

琉球畳のデメリット

上述したように、琉球畳にはたくさんのメリットがありますが、逆にデメリットがあることも認識しなければなりません。 ここからは、琉球畳の具体的なデメリットをご説明したいと思います。

価格の高さ

ずばり、一般的な畳と比較すると琉球畳の方が価格帯は高い傾向にあります。
中には、一般的な畳の半分程度のサイズであるにもかかわらず、同程度の価格帯であるものもあります。
これには明確な理由があり、一般的な畳が製作できる職人と比較すると琉球畳を製作できる職人の数が少ないことも要因の1つとして挙げられます。
潤沢な予算があれば問題ありませんが、限られた予算の中で琉球畳を選択する際には注意しなければなりません。

強度の脆弱性

琉球畳は、上述したように畳縁がないことが最大の特徴となっています。 そのため、スッキリとした見た目にできるメリットがある一方、どうしても畳縁のある一般的な畳と強度比較をすると角の部分においては強度が低くなっているのです。
畳縁の設えから来る角の部分においては、強度の脆弱性が浮き彫りとなってしまうため長年使用することによる経年劣化によって、一般的な畳と比較すると角部分の劣化速度は早いと言えるでしょう。

まとめ

ここまで、琉球畳についてご説明をさせて頂きました。 上述したように、琉球畳の歴史からメリット・デメリットまでご理解頂けたのではないでしょうか。 今後、琉球畳の導入を検討する方にとって本記事が少しでも一助となったのであれば幸いです。

琉球畳・へりなし置き畳一覧を見る

The following two tabs change content below.

イケヒコ編集部

イケヒコ公式オンラインショップのブログを2021年6月より開設しました。 インテリアのお手入れ方法や、おすすめ商品の紹介、コーディネートの提案などを中心に情報発信しております。

会社概要を見る >