い草のカラフルコースターができるまで 更新日: 2023-12-28 投稿日: 2023-12-08 い草繋がるものづくり 商品にならなかったい草生地(ござ)から作った、い草のコースター。 い草ラグ「カラフルブロック」の生地を使ったアップサイクル品です。 作ったのは、い草ラグ「ランクス」や「カラフルブロック」の織り職人、椛島裕喜さん。 このカラフルでかわいいコースターは、職人さんの「もったいない!」から生まれました。 目次1 売ることもできない、処分することもできない、い草の生地。2 伝統を守りながら、サスティナブルなものづくりを。3 い草を知ってもらう、触れてもらうきっかけに。 売ることもできない、処分することもできない、い草の生地。 (織機に入るい草をまっすぐに整えている様子。) 「数百本ある縦糸のたった1本が弛んだり切れたり、織機の調子が悪くなったりなど、い草はちょっとしたアクシデントで、商品にできない生地になってしまうことがあります」 と言うのは、織り職人の椛島裕喜さん。い草業界で若手になりますが、父の跡を継いで22年になるベテランの職人さんです。 (カラフルブロックの織機。縦糸は三百数十本に及ぶ。) 「商品にできなかった生地は、使えないわけではないんですよね。自分たちで使ったり、親戚にはお歳暮・お中元で贈ったり。使えるからこそ、もったいなくて廃棄もできません」と椛島さんは、続けます。 (作業場の一角。商品化されない生地も使い古してから捨てるため、残ってしまう。) 使えるからこそ、処分するにはあまりにも「もったいない!」生地たち。 そこには、国産のい草ラグを一日でも長く心地よく使ってもらいたいという椛島さんの想いと、代々紡がれている信念があります。 「出来栄えから一見どこが悪いのか、どこに不良があるのか、わからないと思います。 ですが、使ってくださる方を思うと品質に妥協したくないんです。」 椛島さんの丁寧な仕事ぶりは、そこまでするの!?と多々驚かれるほど。 祖父の代から受け継がれてきた職人としてのこだわりと、使ってくださるお客さまへの愛情、国産のい草に対する使命感があるのだそう。 (仕上げ作業中の様子。) 伝統を守りながら、サスティナブルなものづくりを。 (細かな作業が一日中続く。) しかし品質にこだわる一方で、商品にならなかったい草生地たちを見て、もったいない気持ちで悶々とする椛島さん。 「職人になりたてのころは、どうしてよいかわからなかったんです。でも今、い草産業自体が危機的状況で…。畳の需要が減り、国内のい草生産量も激減して、国産のい草自体が貴重な素材になりつつあるんです」と顔をしかめます。 国産い草の良さを少しでも多くの方に感じてもらって、需要を増やしていきたい。 少しでも「もったいない」を減らして、貴重な国産のい草を大切にしたい。 そう思い始めた椛島さんは、この商品にならなかったい草生地でサスティナブルなものづくりに取り組みます。 (くしゃっとした笑顔が印象的な椛島さん。) 「インテリア雑貨など小さいものであれば、手に取ってもらいやすいし、商品としての質も担保できるかも!と思って、同級生の畳屋(青畳工房)の古賀くんとものづくりをはじめました。」 「そのまま切ったり、二重にしたりと試行錯誤しましたが、うまくいかず、途中でストップしたこともありました。い草生地の加工って難しいんですよ」と笑います。 い草を知ってもらう、触れてもらうきっかけに。 (できあがったい草のコースター) そうした試行錯誤の繰り返しが5年6年と続き、ようやく生まれたカタチ。 ビタミンカラーのカラフルな色合いは、雑貨小物として飾ってもかわいい一品に。 「こういった小さな活動から、い草を知ってもらう、い草に触れてもらう機会が増えると嬉しい」と椛島さんは言いました。 商品になれず、作業場の片隅で残ったままとなってしまうイ草の生地が、新しく生まれ変わった小さな開発ストーリー。職人さんの想いがつまっています。 イケヒコオンラインショップでは、商品のご購入で抽選30名様に、こちらのコースター(非売品)がペアで当たるクリスマスキャンペーンを開催中です。 期間は、12/9(土)から12/17(日)まで。詳細は下記のバナーからご覧ください。 ひとつひとつ手作りなので、カタチや色も不揃いですが、届いて良かった!と思っていただけると嬉しいです。 Merry Christmas! The following two tabs change content below.この記事を書いた人最新の記事 イケヒコ編集部 ありま オンラインショップやSNSを担当しています。猫が好きです。い草の良さと奥深さに魅了され日々勉強中の毎日です。ちょっとホッとするようなコンテンツをご提供できるよう頑張ります!宜しくお願いします。 最新記事 by イケヒコ編集部 ありま (全て見る) 379人に聞いた!2023-2024年度版、年末年始の過ごし方ランキング - 2023.12.26 い草のカラフルコースターができるまで - 2023.12.08 クリスマスリース作りレポートat悠悠ホーム体感ショールーム - 2023.12.08 関連記事: 自然素材で快適な夏を過ごそう リビングにおすすめ人気のラグ10選!選び方やポイントを解説 床に座ってくつろぐ生活の提案を。 今のライフスタイルに合う座布団とは? 繋がるものづくり-ヨガインストラクター 橋口ひとみ先生が語る、畳ヨガの魅力 (前編)-
商品にならなかったい草生地(ござ)から作った、い草のコースター。 い草ラグ「カラフルブロック」の生地を使ったアップサイクル品です。 作ったのは、い草ラグ「ランクス」や「カラフルブロック」の織り職人、椛島裕喜さん。 このカラフルでかわいいコースターは、職人さんの「もったいない!」から生まれました。 目次1 売ることもできない、処分することもできない、い草の生地。2 伝統を守りながら、サスティナブルなものづくりを。3 い草を知ってもらう、触れてもらうきっかけに。 売ることもできない、処分することもできない、い草の生地。 (織機に入るい草をまっすぐに整えている様子。) 「数百本ある縦糸のたった1本が弛んだり切れたり、織機の調子が悪くなったりなど、い草はちょっとしたアクシデントで、商品にできない生地になってしまうことがあります」 と言うのは、織り職人の椛島裕喜さん。い草業界で若手になりますが、父の跡を継いで22年になるベテランの職人さんです。 (カラフルブロックの織機。縦糸は三百数十本に及ぶ。) 「商品にできなかった生地は、使えないわけではないんですよね。自分たちで使ったり、親戚にはお歳暮・お中元で贈ったり。使えるからこそ、もったいなくて廃棄もできません」と椛島さんは、続けます。 (作業場の一角。商品化されない生地も使い古してから捨てるため、残ってしまう。) 使えるからこそ、処分するにはあまりにも「もったいない!」生地たち。 そこには、国産のい草ラグを一日でも長く心地よく使ってもらいたいという椛島さんの想いと、代々紡がれている信念があります。 「出来栄えから一見どこが悪いのか、どこに不良があるのか、わからないと思います。 ですが、使ってくださる方を思うと品質に妥協したくないんです。」 椛島さんの丁寧な仕事ぶりは、そこまでするの!?と多々驚かれるほど。 祖父の代から受け継がれてきた職人としてのこだわりと、使ってくださるお客さまへの愛情、国産のい草に対する使命感があるのだそう。 (仕上げ作業中の様子。) 伝統を守りながら、サスティナブルなものづくりを。 (細かな作業が一日中続く。) しかし品質にこだわる一方で、商品にならなかったい草生地たちを見て、もったいない気持ちで悶々とする椛島さん。 「職人になりたてのころは、どうしてよいかわからなかったんです。でも今、い草産業自体が危機的状況で…。畳の需要が減り、国内のい草生産量も激減して、国産のい草自体が貴重な素材になりつつあるんです」と顔をしかめます。 国産い草の良さを少しでも多くの方に感じてもらって、需要を増やしていきたい。 少しでも「もったいない」を減らして、貴重な国産のい草を大切にしたい。 そう思い始めた椛島さんは、この商品にならなかったい草生地でサスティナブルなものづくりに取り組みます。 (くしゃっとした笑顔が印象的な椛島さん。) 「インテリア雑貨など小さいものであれば、手に取ってもらいやすいし、商品としての質も担保できるかも!と思って、同級生の畳屋(青畳工房)の古賀くんとものづくりをはじめました。」 「そのまま切ったり、二重にしたりと試行錯誤しましたが、うまくいかず、途中でストップしたこともありました。い草生地の加工って難しいんですよ」と笑います。 い草を知ってもらう、触れてもらうきっかけに。 (できあがったい草のコースター) そうした試行錯誤の繰り返しが5年6年と続き、ようやく生まれたカタチ。 ビタミンカラーのカラフルな色合いは、雑貨小物として飾ってもかわいい一品に。 「こういった小さな活動から、い草を知ってもらう、い草に触れてもらう機会が増えると嬉しい」と椛島さんは言いました。 商品になれず、作業場の片隅で残ったままとなってしまうイ草の生地が、新しく生まれ変わった小さな開発ストーリー。職人さんの想いがつまっています。 イケヒコオンラインショップでは、商品のご購入で抽選30名様に、こちらのコースター(非売品)がペアで当たるクリスマスキャンペーンを開催中です。 期間は、12/9(土)から12/17(日)まで。詳細は下記のバナーからご覧ください。 ひとつひとつ手作りなので、カタチや色も不揃いですが、届いて良かった!と思っていただけると嬉しいです。 Merry Christmas!