こたつの困り事解決!“ズレない紐付きこたつ布団”シリーズ 更新日: 2022-11-28 投稿日: 2022-10-31 こたつ商品開発ストーリー 開発者:三上 将正(みかみ のぶまさ) 持ち前の冷静な判断とポジティブ思考を買われ、入社4年目でマネージャーとしてチームをリード。難しそうなことをシンプルにー。前向きでラフな姿勢は周囲の心を軽くする。 (分裏面に紐付きでズレない仕様のこたつ布団) 目次1 こたつ布団に本当に求められてることって何だろう?2 こたつ布団に座標をつける3 細部にもこだわりを4 これから こたつ布団に本当に求められてることって何だろう? 本当にお客様が求めていることは何だろう? メーカーの開発者にとって、この問いは行きつくことのない仮説と検証の繰り返し。 こたつ布団にとってのそれはいったい何なのか?お客様の“困った”を解決できるこたつ布団とは、どんな商品なのか…。三上は1年中お客様のニーズを考え続けてきました。 三上:毎年、次のモノづくりのヒントを求めて店頭調査やバイヤーさんと商談をする中で、「今年はこれが売れた、売れなかった」といった話や「抗菌防臭や吸湿発熱が必要なのでは?」というような、市場全体の動き起点での発想に終始することが多くて。でも、本当のお客様の声は別のところにあるんじゃないか…とそんな気がしてました。 そこで、消費者の不満を買い取る「不満買取センター」に依頼し、こたつにまつわるさまざまな“不満の声”を集めてみることに。「不満買取センター」は消費者から不満の声を集めてそれを必要とする企業や自治体に提供するサービス。様々な生の声が消費者からあがってきます。これに興味をもった営業の1人がこたつ布団に対して1,000件以上集まった不満を仕分け。 そうすると、“本音の声”が見えてきました。 当初予測していた消費者の“生の声”は、「あたたかさ」「ボリューム感」「肌触り」などの答えを想像していました。ですが、実際に上がってきた不満で多かったのは、 こたつの不満Top3 1位:布団・天板がズレる 2位:洗えない・洗濯しづらい 3位:汚れる・液体物しみこむ というものでした。 三上:結果をみて、意外でした。作り手と使い手の意識には大きなギャップがある、と感じましたね。まずは、最も多かった意見に対応した“ズレないこたつ布団”を作ろうと思いました。仕分けをしてくれた営業マンと仕様を一緒に考え、試行錯誤するうちに、こたつの脚に固定できる紐を布団につけたらいいんじゃないか、というアイデアにたどり着いたのです。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら > こたつ布団に座標をつける お客様の生の声、目指すモノづくり、にたどり着きはしたものの、この“紐をつける”という一見単純に見える仕様は意外と単純ではありませんでした。 三上:通常こたつ布団は、表生地と裏生地の、2種類の大きな生地を縫い合わせて側地にします。この裏生地に脚があたる部分4箇所に紐を付けるには、どうするか? ただ裏生地に縫い付けては不格好だし、穴をあけて紐を付けるわけにもいかない…色々と考えた末に行きついたのは、裏生地を3つのパーツに分解し、脚があたる部分の外側に座標をつけて切り込みを入れる。そこに紐を縫い込んでいくようにしました。 (座標をつける位置に細心の注意をはらって) 細部にもこだわりを 裏生地の部分に紐を4箇所取り付けた上で、商品としてスッキリとした完成形に仕上げるには、さらにもうひと工夫が必要でした。 三上:側地を縫いあわせ綿を入れて仕上げていきます。最後に綿がズレにくいように全体にキルティングをかけます。ここで、裏地に付けた紐がキルトにかからないようにしなくてはいけません。そのために、紐をあらかじめ結んでキルティングにかからないように工夫しました。天板と脚、それとキルティング、この3つにかからないように上手く調整しながら、最終紐の位置を調整しました。 商品としての仕上がりの精度を求めながら、ライン生産としての生産効率も両立させていく。工場で工夫を重ねて、ようやく“ズレない紐付きこたつ布団”は出来上がりました。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら > (こたつ布団の裏側四隅に取り付けられた紐でずれにくく) これから お客様のお困りごとから生まれた“ズレない紐付きこたつ布団”は、初年度から6万枚を超す大ヒット商品になります。 三上:お客様におすすめする時も、自分だけの仮説ではなく“リアルなお客様の声”を根拠におすすめできたので、共感してもらいやすい実感がありました。これからも、お客様のニーズを常にキャッチしてモノづくりに活かしていきたいですね。 こたつに携わって17年…。現在、三上はこたつ布団の事業から離れ、い草ラグの生産を任されています。 三上:自然素材であるい草は本当に素晴らしいと思います。ですが、もっと柔軟にお客様のニーズを掘り起こすモノづくりをしたい。この時代だからこそこんな新しいい草ラグをお届けできるんだ、というような進化を創造していきたいですね。 新境地で更にお客様の声に耳を傾ける三上の挑戦は続きます。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら > The following two tabs change content below.この記事を書いた人最新の記事 イケヒコ編集部 イケヒコ公式オンラインショップのブログを2021年6月より開設しました。 インテリアのお手入れ方法や、おすすめ商品の紹介、コーディネートの提案などを中心に情報発信しております。 会社概要を見る > 最新記事 by イケヒコ編集部 (全て見る) 敬老の日におすすめ!実用的な日用品プレゼント6選をご紹介 - 2023.08.25 こたつ布団がずれない方法。対策やおすすめのズレ防止こたつ布団をご紹介 - 2023.08.24 い草寝具商品開発担当が本気で選ぶ!おすすめい草寝具10選 - 2023.08.04 関連記事: イケヒコの大人気極厚ラグ「グランド」シリーズは、こうして生まれた こたつ布団のお手入れを簡単に!“分解できる”こたつ布団「スパット」ができるまで お客さまの要望や不満を解消するための商品開発!洗濯機で洗えてタンブラー乾燥までできる掛布団敷布団 こたつの歴史 後編。生活の知恵から、団らんの象徴へ。明治から戦後まで。
開発者:三上 将正(みかみ のぶまさ) 持ち前の冷静な判断とポジティブ思考を買われ、入社4年目でマネージャーとしてチームをリード。難しそうなことをシンプルにー。前向きでラフな姿勢は周囲の心を軽くする。 (分裏面に紐付きでズレない仕様のこたつ布団) 目次1 こたつ布団に本当に求められてることって何だろう?2 こたつ布団に座標をつける3 細部にもこだわりを4 これから こたつ布団に本当に求められてることって何だろう? 本当にお客様が求めていることは何だろう? メーカーの開発者にとって、この問いは行きつくことのない仮説と検証の繰り返し。 こたつ布団にとってのそれはいったい何なのか?お客様の“困った”を解決できるこたつ布団とは、どんな商品なのか…。三上は1年中お客様のニーズを考え続けてきました。 三上:毎年、次のモノづくりのヒントを求めて店頭調査やバイヤーさんと商談をする中で、「今年はこれが売れた、売れなかった」といった話や「抗菌防臭や吸湿発熱が必要なのでは?」というような、市場全体の動き起点での発想に終始することが多くて。でも、本当のお客様の声は別のところにあるんじゃないか…とそんな気がしてました。 そこで、消費者の不満を買い取る「不満買取センター」に依頼し、こたつにまつわるさまざまな“不満の声”を集めてみることに。「不満買取センター」は消費者から不満の声を集めてそれを必要とする企業や自治体に提供するサービス。様々な生の声が消費者からあがってきます。これに興味をもった営業の1人がこたつ布団に対して1,000件以上集まった不満を仕分け。 そうすると、“本音の声”が見えてきました。 当初予測していた消費者の“生の声”は、「あたたかさ」「ボリューム感」「肌触り」などの答えを想像していました。ですが、実際に上がってきた不満で多かったのは、 こたつの不満Top3 1位:布団・天板がズレる 2位:洗えない・洗濯しづらい 3位:汚れる・液体物しみこむ というものでした。 三上:結果をみて、意外でした。作り手と使い手の意識には大きなギャップがある、と感じましたね。まずは、最も多かった意見に対応した“ズレないこたつ布団”を作ろうと思いました。仕分けをしてくれた営業マンと仕様を一緒に考え、試行錯誤するうちに、こたつの脚に固定できる紐を布団につけたらいいんじゃないか、というアイデアにたどり着いたのです。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら > こたつ布団に座標をつける お客様の生の声、目指すモノづくり、にたどり着きはしたものの、この“紐をつける”という一見単純に見える仕様は意外と単純ではありませんでした。 三上:通常こたつ布団は、表生地と裏生地の、2種類の大きな生地を縫い合わせて側地にします。この裏生地に脚があたる部分4箇所に紐を付けるには、どうするか? ただ裏生地に縫い付けては不格好だし、穴をあけて紐を付けるわけにもいかない…色々と考えた末に行きついたのは、裏生地を3つのパーツに分解し、脚があたる部分の外側に座標をつけて切り込みを入れる。そこに紐を縫い込んでいくようにしました。 (座標をつける位置に細心の注意をはらって) 細部にもこだわりを 裏生地の部分に紐を4箇所取り付けた上で、商品としてスッキリとした完成形に仕上げるには、さらにもうひと工夫が必要でした。 三上:側地を縫いあわせ綿を入れて仕上げていきます。最後に綿がズレにくいように全体にキルティングをかけます。ここで、裏地に付けた紐がキルトにかからないようにしなくてはいけません。そのために、紐をあらかじめ結んでキルティングにかからないように工夫しました。天板と脚、それとキルティング、この3つにかからないように上手く調整しながら、最終紐の位置を調整しました。 商品としての仕上がりの精度を求めながら、ライン生産としての生産効率も両立させていく。工場で工夫を重ねて、ようやく“ズレない紐付きこたつ布団”は出来上がりました。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら > (こたつ布団の裏側四隅に取り付けられた紐でずれにくく) これから お客様のお困りごとから生まれた“ズレない紐付きこたつ布団”は、初年度から6万枚を超す大ヒット商品になります。 三上:お客様におすすめする時も、自分だけの仮説ではなく“リアルなお客様の声”を根拠におすすめできたので、共感してもらいやすい実感がありました。これからも、お客様のニーズを常にキャッチしてモノづくりに活かしていきたいですね。 こたつに携わって17年…。現在、三上はこたつ布団の事業から離れ、い草ラグの生産を任されています。 三上:自然素材であるい草は本当に素晴らしいと思います。ですが、もっと柔軟にお客様のニーズを掘り起こすモノづくりをしたい。この時代だからこそこんな新しいい草ラグをお届けできるんだ、というような進化を創造していきたいですね。 新境地で更にお客様の声に耳を傾ける三上の挑戦は続きます。 ズレない紐付きこたつ布団はこちら >