こたつで寝る
こたつは温かくてフカフカの布団に包まれる暖房器具。 「心地よくて、つい寝てしまった」そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。
しかし、こたつで寝ると身体に負担がかかります。風邪をひくだけでなく、眠りが浅くなったり、身体が痛くなったりと様々な不調の原因になるのです。最悪の場合、命を脅かすこともあります。 当記事では、こたつで寝るメリットとデメリットについて詳しく解説します。快適なこたつライフのためにぜひ参考にしてください。

こたつで寝るメリットはあるのか?

こたつでまどろむのは心地よく、寝つきがいいように感じます。 しかし、実際にはこたつで寝ると睡眠の質は大幅に低下します。うたた寝程度なら問題なくても、長時間寝てしまうと身体に様々な害がおよぶのです。
こたつで寝る身体的なメリットはありません。疲れた時はこたつで寝てしまいたくなりますが、グッとこらえて布団で寝ることをおすすめします。

こたつで寝るデメリット

子供の頃「こたつで寝ちゃダメ」と言われて、なぜダメなのか疑問に思ったことはありませんか。
こたつは中と外で温度差が生じます。そのために身体が混乱し様々なデメリットを引き起こすのです。 危険なのは温度差だけではありません。固いやぐらに囲われたこたつは寝返りがうちにくく、長時間寝ると身体を痛めてしまうでしょう。
こたつで寝るデメリットは次のようなものが挙げられます。
  • 風邪を引く
  • 肩こり腰痛
  • ヒートショック
  • 脳梗塞・心筋梗塞
  • 睡眠の質が下がる
  • 脱水症状
  • 便秘の原因にも
  • 低温やけど
こたつで寝ると風邪や肩こり、腰痛になるだけでなく、ヒートショックを引き起こすこともあるのです。それぞれのメカニズムを詳しく解説します。

風邪を引く

「こたつで寝ると風邪を引く」という戒めはたいへん有名です。
では、なぜこたつで寝ると風邪を引くのでしょうか。その理由は「温度差」にあります。こたつで寝ると、下半身と上半身に大きな温度差が生じます。 暖かい下半身と寒い上半身。どちらに体温を調節すればいいのかわからず、体はうまく体温調節できません。これにより風邪を引いてしまうのです。
また、こたつは暖かいため汗をかきます。汗が乾くときに体温を奪うため、寝冷えして風邪を引きやすくなるのです。

肩こり・腰痛

こたつで寝ると「肩こり・腰痛」を引き起こします。こたつは天板が低いため、上手く寝返りをうつことができません。 寝返りには体をほぐす効果があり、人は通常ひと晩で20~30回も寝返りをうっているのです。寝返りがうちにくいと血液循環が滞り、肩こりや腰痛を引き起こします。
また、固い床で寝ると布団のように身体を支えてくれません。身体に負荷がかかるためダメージが蓄積しやすくなるのです。
さらに、こたつは身体を伸ばして寝ることができません。 狭いこたつに無理やり身体を入れると不自然な姿勢になります。不自然な姿勢を長時間続ければ、筋肉が凝り固まってしまうでしょう。

ヒートショックを引き起こす恐れがある

こたつが命を脅かすこともあります。「ヒートショック」はお風呂で起こる現象として有名ですが、こたつで引き起こされることもあるのです。
ヒートショックとは、温度差による血圧の乱高下が心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす現象。血圧が短時間で激しく上下すると起こります。
こたつによって温められた下半身と、寒いままの上半身は血圧の乱高下が起きやすい状態です。こたつによって急な温度変化を繰り返せばヒートショックのリスクが高まるでしょう。
ヒートショックを防ぐには、急激な温度変化を避けることが重要です。 室内が寒すぎる場合はエアコンなどを併用し、室内の温度を高くしましょう。こたつの温度を上げすぎないのもポイントです。

脳梗塞・心筋梗塞

こたつは汗をかきやすく、血液中の水分が減って脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。こたつで寝てしまうと水分補給ができないため大変危険です。
室内が寒いとこたつから出たくなくなるもの。喉が渇いていてもつい水分補給を怠ってしまいがちです。水分が減って血液がドロドロになればその分血管系の疾患リスクが上がります。
脳で血管がつまれば脳梗塞に、心臓で血管がつまれば心筋梗塞を引き起こすでしょう。どちらも死につながる危険があり注意が必要です。

睡眠の質が下がる

人は寝るときに身体の熱を放出して体温を下げます。寝際に汗をかくのはこのためです。
しかし、こたつはずっと暖かい状態のため体温をうまく下げることができません。体温がコントロールできないと睡眠の質が下がります。 人は睡眠で身体の調子を整えるため、睡眠の質の低下は日中のパフォーマンスに影響をおよぼしかねません。
また、こたつの中は寝返りがうちにくいため、体に負担がかかり睡眠の質が下がります。 こたつでまどろむと心地よいですが、じつは睡眠の質は低下しているのです。固い床では熟睡することができず、疲れが蓄積してしまうことさえあります。

脱水症状

こたつは温度が高いため、布団で寝るよりも大量に汗をかきます。 人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われていますが、こたつで寝るとさらに大量の汗をかきます。
血液中の水分が減ると、喉の渇き、だるさ、立ちくらみなどの脱水症状を引き起こすのです。 こたつで寝てしまうとのどの渇きを感じにくくなり、さらに脱水症状が進行しやすくなります。

便秘の原因にも

こたつで寝ると大量の汗をかくため、体内の水分が不足し便秘を引き起こします。腸内の水分が減ればお通じが硬くなり、詰まりやすくなってしまうのです。
また、自律神経の乱れは胃腸の動きを鈍くします。こたつの温度差で自律神経が乱れると便秘がさらに悪化する危険があるのです。
さらに、こたつの熱で消化酵素の働きが鈍くなることも考えられます。 腸内の消化酵素は37度前後で活発に働きます。それ以上の高温状態が続けば、消化酵素の働きが鈍くなり消化に影響してしまうのです。
下半身を効率よく温めてくれるこたつは便秘の改善に効果がありそうですが、逆効果の場合があるので十分ご注意ください。

低温やけど

こたつで寝てしまうと「低温やけど」になる危険があります。 低温やけどとは、44~50度のものに長時間あたることで引き起こされる皮膚疾患です。44度の場合なら3~4時間で低温やけどになるといわれています。
低温やけどの恐さは痛みを感じにくい点です。皮膚の表面が焼ける高温やけどと違い、低温やけどは徐々に内部にダメージが蓄積します。
とくに酔っぱらって寝てしまったときは皮膚の感覚が鈍くなっています。気づかぬ間に症状が進行してしまう場合があるので注意が必要です。

まとめ

こたつでうたた寝するのは気持ちがいいですが、長時間寝ると様々なデメリットがあります。命に関わる病気に繋がることもあるため油断しないようにしましょう。
こたつで寝ると身体に悪いのは「温度差」があるためです。上半身と下半身の温度差に身体が混乱し、様々な不調を起します。
また、こたつで寝ると大量の汗をかいて水分が奪われます。血液がドロドロになると脱水症状や便秘、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのです。
こたつで寝るメリットはこのようにほとんどないといえるでしょう。身体をしっかり休めるためにも、寝るときは布団に移動し、こたつで寝ないようにしましょう。
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イケヒコ編集部

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