自分でできる襖張り替え簡単DIY。手順と注意点をご紹介 投稿日: 2022-08-29 暮らしの知恵 襖紙の黄ばみや破れが気になったら、張替えを検討しましょう。 業者に頼むこともできますが、初心者でも道具をそろえれば簡単に張替えられます。一度コツをつかめば、何枚でもやりたくなる楽しい作業です。 襖は面積が大きいので、張り替えるだけでガラリと雰囲気を変えることができますよ。お気に入りの襖紙を選んで、自分での張り替えにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 当記事では、糊をつかった襖の張り替え方法を解説します。注意点を交えながら解説するので、ぜひ参考にしてください。 目次1 襖の寿命2 自分で襖を張り替える方法2.1 準備するもの2.2 襖張替えの手順3 まとめ 襖の寿命 襖の寿命は10年程度です。経年劣化によって、徐々に襖紙はもろくなっていきます。目立つ汚れがなくても、10年を目安に張替えを検討しましょう。 年数に関わらず黄ばみや汚れ・破れがある場合は張替え時です。日の当たりやすい襖やタバコを吸う部屋の襖はとくに黄ばみやすいのでご注意ください。 来客がある時や新年を迎えるときも張り替えどきです。新しい襖紙は、お部屋をフレッシュに蘇らせてくれます。 自分で襖を張り替える方法 襖は大きいので、自分で張り替えるのが難しいイメージですが、一度覚えれば簡単にできます。張り替えは湿度の高い日がおすすめです。湿気で紙がのびるためピンとはりやすくなりますよ。 当記事では、新しい紙を上から貼りつける方法をご紹介します。剥がす工程がないので簡単に張替えられますよ。各工程でおさえておきたいポイントも合わせて解説します。 準備するもの 襖の張替え時に準備するものは次の通りです。 1. 襖紙(糊なしタイプ) 2. 襖用の糊 3. 引手(引手を替える場合) 4. はさみ 5. カッター 6. トンカチ 7. ペンチ 8. なでバケ 9. ローラーバケ 10. 糊を入れる容器 11. 釘うち 12. 新聞紙 13. 地ベラ 襖紙はカットして使用します。大きめのサイズを用意しましょう。柄に上下のある襖紙は、上下を間違えたり、カット時に柄を切り落としてしまったりと難易度が上がります。 初めての方は、柄に上下のないタイプがおすすめです。 ふすま用の糊は水で薄めるタイプを用意しましょう。 引手も新しくしたい場合は、合わせて用意します。形状によっては取り付けられない場合もあるため形やサイズを確認してから購入してください。 はさみやカッターは切れ味のいいものがおすすめです。カッターの刃は新しくしておきましょう。 なでバケは襖紙を接着した後空気を逃がす時に使います。手のひらやヘラで代用も可能ですが、キレイに仕上げたい場合は用意しておきましょう。 釘うちは、引手に釘を打ち込む道具です。これがないと引手に傷がついてしまう場合があります。 道具をそろえたら、十分なスペースも合わせて用意しましょう。襖の張替えには、襖を2枚置いても作業スペースが確保できる広さが必要です。 準備が整ったら、早速張替えを開始しましょう。 襖張替えの手順 襖の張替えには大きく分けて次の3つの工程があります。 1. 木枠を外す 2. 襖紙を貼る 3. 木枠を戻す 貼った後は乾燥させるのに1晩かかります。慌てて乾かすと破れの原因になるため作業日は2日間確保しておきましょう。 各工程をポイントとともに解説します。 襖の木枠を外す まずは襖の縁についた木枠を外します。左右の木枠がスライド式の場合は、上部からトンカチで叩いて木枠をスライドさせます。 木枠を傷つけないよう、あて木の上から叩いてください。数センチ動けば、パカッと取り外すことができます。 左右の木枠が外れたら、上下の木枠を外します。 上下の木枠は釘で止まっている場合が多いので、木枠と襖の間にヘラを入れて外していきます。外しにくい場合は、バールをつかいましょう。 外した木枠はどこの部品かわからなくならないように、「上」「下」などの印を書き込んでおくと戻すときスムーズです。 襖の引き手を外す 木枠が外れたら、引き手を外します。引き手は上下の釘で止まっているので、釘のきわを叩いて釘を浮かせます。傷つきやすいのでやさしく叩きましょう。 釘が浮いてきたらペンチで外します。上下どちらかの釘が外れたら、外れた部分から動かせば引き手全体が外れます。 襖紙をカットする 木枠と引き手が外れたら、いよいよ襖紙の出番です。 木枠を外した襖をあてて、紙のサイズを確認します。 4辺すべてにのりしろが残るサイズでカットしましょう。 のりしろは襖の厚みよりもすこし短い長さにします。柄のある襖紙を使う場合は柄の出方にも注意してください。 襖紙の裏面にのり付けし、襖に張り付ける カットした襖紙の裏面にのり付けします。のりは中心につける「薄いのり」と、周りにつける「濃いのり」を用意しましょう。 のりはローラーバケをつかって全面にたっぷりとつけます。のりをつけたら5分程度放置し、のりが紙に浸透するのを待ちます。 のりが浸透したら、襖紙をゆっくりと襖本体の上に乗せます。 ひとりでは難しいため、2人で端をもっておこないましょう。ひとりでやる場合は、襖を立てかけておくとやりやすくなります。 のりしろ部分を折り込む 襖紙は乗せただけだと中に空気が入っています。中心からなでバケをつかって空気を外に押し出しましょう。 シワができても乾燥するとピンと貼るので気にしなくても大丈夫です。 なでバケを終えたらのりしろ部分を折り込みます。紙が重なる部分はハサミでカットしておきましょう。4辺をすべて折り込んだら襖紙を貼る作業は完了です。 乾燥させる 襖を立てかけて1晩ほど乾燥させます。焦らずに、じっくりと紙が乾くのを待ちましょう。 エアコンやドライヤーをつかって乾かすと紙が破れてしまうことがあります。湿り気がなくなり、紙がピンと張ってから木枠を戻しましょう。 襖の木枠を取り付ける 上下の木枠から、順番に取り付けます。もともと釘が刺さっていた部分を手さぐりでみつけ、元の穴に釘が戻るように取り付けましょう。 硬い場合は木枠にあて木をしてトンカチで叩きます。 左右の木枠は内側の穴に釘頭を入れ、木枠を下部から上に叩いて横にスライドさせます。木枠を傷つけないようにあて木をしてください。 引き手を取り付ける 最後に引き手を取り付けます。引き手が取り付けられる場所を手で探り当て、カッターで十字に切り込みを入れます。 さらに8等分になるように切り込みを入れたら襖紙を押し込んで引き手が入る場所をつくりましょう。 引き手をはめ込んだら、上下を釘で止めます。釘を入れる際、引き手を傷つけやすいので要注意です。「釘うち」をつかい、トンカチでやさしく叩いて釘をとめます。 襖の張替え完了 襖を敷居に戻したら張替え完了です。 入れる場所を間違えないようにご注意ください。スムーズに開閉できないときは襖が歪んでいる場合があります。 木枠が曲がってついていないか確認して修正しましょう。 まとめ 襖は紙でできているため劣化が避けられません。10年を目安に、汚れが気になったら張り替えましょう。 襖の張り替えは業者に依頼できますが、一度覚えてしまえば自分で張り替えることも可能です。張り替えを覚えれば、自分の好きな襖紙でいつでも模様替えが楽しめますよ。 自分で張り替えた襖は愛着がわき、和室での生活がより一層楽しくなるでしょう。ぜひ、襖の張り替えに挑戦してみてください。 The following two tabs change content below.この記事を書いた人最新の記事 イケヒコ編集部 イケヒコ公式オンラインショップのブログを2021年6月より開設しました。 インテリアのお手入れ方法や、おすすめ商品の紹介、コーディネートの提案などを中心に情報発信しております。 会社概要を見る > 最新記事 by イケヒコ編集部 (全て見る) 福岡おもちゃ美術館×イケヒコのコラボイベント 「い草枕作り」ワークショップレポート - 2024.03.13 ものづくりラボ‐room1- - 2024.02.27 無垢床×い草で最高にリラックスできるおうち-インテリアコーディネーターがつくるナチュラルな暮らし- - 2023.12.28 関連記事: 部屋干しの臭い対策 おしゃれな和モダンにするインテリアの5つのポイント フローリングの傷防止。おすすめの方法をご紹介 自然素材で快適な夏を過ごそう
襖紙の黄ばみや破れが気になったら、張替えを検討しましょう。 業者に頼むこともできますが、初心者でも道具をそろえれば簡単に張替えられます。一度コツをつかめば、何枚でもやりたくなる楽しい作業です。 襖は面積が大きいので、張り替えるだけでガラリと雰囲気を変えることができますよ。お気に入りの襖紙を選んで、自分での張り替えにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 当記事では、糊をつかった襖の張り替え方法を解説します。注意点を交えながら解説するので、ぜひ参考にしてください。 目次1 襖の寿命2 自分で襖を張り替える方法2.1 準備するもの2.2 襖張替えの手順3 まとめ 襖の寿命 襖の寿命は10年程度です。経年劣化によって、徐々に襖紙はもろくなっていきます。目立つ汚れがなくても、10年を目安に張替えを検討しましょう。 年数に関わらず黄ばみや汚れ・破れがある場合は張替え時です。日の当たりやすい襖やタバコを吸う部屋の襖はとくに黄ばみやすいのでご注意ください。 来客がある時や新年を迎えるときも張り替えどきです。新しい襖紙は、お部屋をフレッシュに蘇らせてくれます。 自分で襖を張り替える方法 襖は大きいので、自分で張り替えるのが難しいイメージですが、一度覚えれば簡単にできます。張り替えは湿度の高い日がおすすめです。湿気で紙がのびるためピンとはりやすくなりますよ。 当記事では、新しい紙を上から貼りつける方法をご紹介します。剥がす工程がないので簡単に張替えられますよ。各工程でおさえておきたいポイントも合わせて解説します。 準備するもの 襖の張替え時に準備するものは次の通りです。 1. 襖紙(糊なしタイプ) 2. 襖用の糊 3. 引手(引手を替える場合) 4. はさみ 5. カッター 6. トンカチ 7. ペンチ 8. なでバケ 9. ローラーバケ 10. 糊を入れる容器 11. 釘うち 12. 新聞紙 13. 地ベラ 襖紙はカットして使用します。大きめのサイズを用意しましょう。柄に上下のある襖紙は、上下を間違えたり、カット時に柄を切り落としてしまったりと難易度が上がります。 初めての方は、柄に上下のないタイプがおすすめです。 ふすま用の糊は水で薄めるタイプを用意しましょう。 引手も新しくしたい場合は、合わせて用意します。形状によっては取り付けられない場合もあるため形やサイズを確認してから購入してください。 はさみやカッターは切れ味のいいものがおすすめです。カッターの刃は新しくしておきましょう。 なでバケは襖紙を接着した後空気を逃がす時に使います。手のひらやヘラで代用も可能ですが、キレイに仕上げたい場合は用意しておきましょう。 釘うちは、引手に釘を打ち込む道具です。これがないと引手に傷がついてしまう場合があります。 道具をそろえたら、十分なスペースも合わせて用意しましょう。襖の張替えには、襖を2枚置いても作業スペースが確保できる広さが必要です。 準備が整ったら、早速張替えを開始しましょう。 襖張替えの手順 襖の張替えには大きく分けて次の3つの工程があります。 1. 木枠を外す 2. 襖紙を貼る 3. 木枠を戻す 貼った後は乾燥させるのに1晩かかります。慌てて乾かすと破れの原因になるため作業日は2日間確保しておきましょう。 各工程をポイントとともに解説します。 襖の木枠を外す まずは襖の縁についた木枠を外します。左右の木枠がスライド式の場合は、上部からトンカチで叩いて木枠をスライドさせます。 木枠を傷つけないよう、あて木の上から叩いてください。数センチ動けば、パカッと取り外すことができます。 左右の木枠が外れたら、上下の木枠を外します。 上下の木枠は釘で止まっている場合が多いので、木枠と襖の間にヘラを入れて外していきます。外しにくい場合は、バールをつかいましょう。 外した木枠はどこの部品かわからなくならないように、「上」「下」などの印を書き込んでおくと戻すときスムーズです。 襖の引き手を外す 木枠が外れたら、引き手を外します。引き手は上下の釘で止まっているので、釘のきわを叩いて釘を浮かせます。傷つきやすいのでやさしく叩きましょう。 釘が浮いてきたらペンチで外します。上下どちらかの釘が外れたら、外れた部分から動かせば引き手全体が外れます。 襖紙をカットする 木枠と引き手が外れたら、いよいよ襖紙の出番です。 木枠を外した襖をあてて、紙のサイズを確認します。 4辺すべてにのりしろが残るサイズでカットしましょう。 のりしろは襖の厚みよりもすこし短い長さにします。柄のある襖紙を使う場合は柄の出方にも注意してください。 襖紙の裏面にのり付けし、襖に張り付ける カットした襖紙の裏面にのり付けします。のりは中心につける「薄いのり」と、周りにつける「濃いのり」を用意しましょう。 のりはローラーバケをつかって全面にたっぷりとつけます。のりをつけたら5分程度放置し、のりが紙に浸透するのを待ちます。 のりが浸透したら、襖紙をゆっくりと襖本体の上に乗せます。 ひとりでは難しいため、2人で端をもっておこないましょう。ひとりでやる場合は、襖を立てかけておくとやりやすくなります。 のりしろ部分を折り込む 襖紙は乗せただけだと中に空気が入っています。中心からなでバケをつかって空気を外に押し出しましょう。 シワができても乾燥するとピンと貼るので気にしなくても大丈夫です。 なでバケを終えたらのりしろ部分を折り込みます。紙が重なる部分はハサミでカットしておきましょう。4辺をすべて折り込んだら襖紙を貼る作業は完了です。 乾燥させる 襖を立てかけて1晩ほど乾燥させます。焦らずに、じっくりと紙が乾くのを待ちましょう。 エアコンやドライヤーをつかって乾かすと紙が破れてしまうことがあります。湿り気がなくなり、紙がピンと張ってから木枠を戻しましょう。 襖の木枠を取り付ける 上下の木枠から、順番に取り付けます。もともと釘が刺さっていた部分を手さぐりでみつけ、元の穴に釘が戻るように取り付けましょう。 硬い場合は木枠にあて木をしてトンカチで叩きます。 左右の木枠は内側の穴に釘頭を入れ、木枠を下部から上に叩いて横にスライドさせます。木枠を傷つけないようにあて木をしてください。 引き手を取り付ける 最後に引き手を取り付けます。引き手が取り付けられる場所を手で探り当て、カッターで十字に切り込みを入れます。 さらに8等分になるように切り込みを入れたら襖紙を押し込んで引き手が入る場所をつくりましょう。 引き手をはめ込んだら、上下を釘で止めます。釘を入れる際、引き手を傷つけやすいので要注意です。「釘うち」をつかい、トンカチでやさしく叩いて釘をとめます。 襖の張替え完了 襖を敷居に戻したら張替え完了です。 入れる場所を間違えないようにご注意ください。スムーズに開閉できないときは襖が歪んでいる場合があります。 木枠が曲がってついていないか確認して修正しましょう。 まとめ 襖は紙でできているため劣化が避けられません。10年を目安に、汚れが気になったら張り替えましょう。 襖の張り替えは業者に依頼できますが、一度覚えてしまえば自分で張り替えることも可能です。張り替えを覚えれば、自分の好きな襖紙でいつでも模様替えが楽しめますよ。 自分で張り替えた襖は愛着がわき、和室での生活がより一層楽しくなるでしょう。ぜひ、襖の張り替えに挑戦してみてください。