買い替えのサイン!羽毛布団の寿命について
ふんわりとした触り心地で暖かく体を包み込んでくれる羽毛布団ですが、長く使い続けていると当然劣化が進んでしまいます。
羽毛布団の寿命はどれくらいなのか、どんな状態になったら買い替えのタイミングなのかを解説します。さらに、買い替え前に検討したいリフォーム方法や長く羽毛布団を使い続けるためのコツについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
羽毛布団の寿命は10年から20年
羽毛布団の寿命は一般的に10年から20年程度と言われています。
しかし、この数字は正確なものではなく、使う人や使っている環境、使う頻度、さらに日々のお手入れ方法やもともとの羽毛の種類、品質などによって大きく左右されます。
高品質な羽毛布団は大切に使い続ければ30年以上も購入時当初のふんわり感、保温性を維持できます。
ここでは、羽毛布団の寿命を左右するさまざまな原因についてチェックしてみましょう。
価格やブランドによって違う寿命
その羽毛布団の価格やブランドによってそもそもの寿命は大きく変わります。もちろん、高ければいいというわけではありませんが、高品質な羽毛を厳選している、職人が一枚一枚丁寧に手作りしているといった羽毛布団はやはり高価になりやすいです。
一般的な雑貨メーカーが作っている羽毛布団よりも、布団作りの知識と経験が豊富な布団ブランドが作った羽毛布団の方が高品質である可能性は高いといえます。
近年は安価に購入できる雑貨店、家具店、寝具店なども増えてきました。しかし、長く使える羽毛布団を探しているのであれば、高品質なものから選ぶことも大切です。購入後十年以上も使えるものであれば、コストパフォーマンスも優れているといえるでしょう。
使っている環境によって変わる寿命
その羽毛布団を使っている環境や使う人によって寿命は変わります。
人は眠っているときには汗をかいています。この汗の量が多いとその分羽毛布団に湿気やにおいがこもりやすく雑菌が繁殖しやすくなり、羽毛布団の寿命を縮めてしまう原因になります。
小さい子どもやペットがいる場合はおねしょや粗相、飲みこぼしをすることで中の羽毛にダメージを与えてしまいます。
また、羽毛は湿気に弱い素材です。乾燥した地域で使う方が長持ちしやすく、反対に湿気が多い地域で使うと劣化が早くなります。湿気が多い地域で羽毛布団を使っている場合は、定期的に乾燥させるようなお手入れをしなければなりません。
羽毛の種類によって違う寿命
羽毛布団の寿命を大きく左右するのが使われている羽毛の種類です。長持ちする羽毛布団を選びたいのであれば、まず羽毛の種類を確認しましょう。
成長が未熟なアヒルやガチョウの羽毛が使われている羽毛布団は比較的リーズナブルですが、その分劣化も早いです。
ガチョウの親鳥、アイダーダックなどの羽毛は非常に希少価値が高く、その分価格も高額になります。しっかりとした弾力があり保温性が高く、長期間暖かく快適な羽毛布団を使い続けられます。
リーズナブルな羽毛布団の中には数%羽毛が使われているだけで、あとは人工の羽毛や綿が使われているものもあるため注意してください。
外側の生地によって違う寿命
羽毛布団の外側の生地も、羽毛布団の寿命に関係しています。
通気性の高い生地や汚れに強い生地、除菌、消臭効果のある生地などの羽毛布団を選べばより長持ちするでしょう。
一方で、機能性よりも触り心地や寝心地にこだわった生地を利用している羽毛布団もあります。
シルクなどは肌ざわりがいい高級な生地ですが、他の生地に比べると耐久性が弱く、爪を引っかけるだけで簡単に破れてしまうこともあります。
高級な羽毛布団の場合、耐久性はさほど強くないものの、寝心地がいい生地を使っていることも多いです。高級だから良いというわけではないことを覚えておきましょう。
羽毛布団の買い替えサイン
先述したとおり、羽毛布団の一般的な寿命は10年から20年ですが、高品質なものを丁寧に使えば30年ほど使い続けられるケースもあります。
しかし、いつ購入したかわからない羽毛布団や使用頻度が高い羽毛布団の場合、使用年数にとらわれず状態によって買い替え時期を見極めることが大切です。
使い始めた頃や新しい羽毛布団と比較しつつ劣化の度合いを確認し、買い替えサインを見逃さないようにしましょう。
1. ふんわり感がなくなってきた
羽毛布団は購入したばかりの頃は羽毛一枚一枚にしっかりとハリがあります。この羽毛の間に空気が溜まり、保温性を高めてくれます。
購入した当初より手を沈めたときのふんわり感がなくなってきた、店頭で売られているものよりふんわり感がなくなっていると感じたら買い替えのタイミングです。
羽毛は丁寧に手入れしていても年数とともに劣化し弾力が損なわれていくので、いつ購入したかわからないときは参考にしてみてください。
2. ずっしりと重く感じる
羽毛布団は人の汗や熱、室内の湿気を吸い取りやすいです。その後きちんと乾燥、除湿をしていないと湿気を発散できず羽毛に負担がかかります。
湿気を吸った羽毛はずっしりと重くなり、もともとのハリを保てなくなります。結果、重たく感じるだけでなく空気を溜め込みにくくなり、暖かさも失われていきます。
3. 羽毛が出てくるようになった
表面の生地が劣化して破けると羽毛が出てくるようになります。
絹など手触りがいいかわりに強度が低い生地を使っている場合は、爪がひっかかる、収納時に押し入れにひっかかるなど些細なことでも破れてしまいます。
何度縫い直しても羽毛が出てくる、どこが破れているのかわからない場合は買い替えやリフォームがおすすめです。
4. 以前ほど暖かみを感じなくなった
羽毛布団は保温性が高く、しっかり体を温めてくれるのが魅力です。しかし、長年使い続ける内に保温性も下がってきます。
羽毛がへたってくると空気を溜め込みにくくなり、弾力も損なわれて寝ているときの気持ちよさが失われてきます。
以前の状態や新しい羽毛布団と比べて暖かくなりにくくなった、暖かさを維持しにくくなったと感じたら買い替えのタイミングだと思っておきましょう。
買い替える前に羽毛布団のリフォームもおすすめ!
羽毛布団は買い替えるだけでなくリフォームをするという方法もあります。
羽毛布団は劣化が気になっても、中の羽毛は充分にまだ機能している可能性もあります。
せっかくの高価な羽毛布団をまだ使えるのに捨ててしまうのはもったいないです。また、SDGsが叫ばれる現代において、リフォームはとても大切な考え方です。
劣化していない羽毛部分を使える
羽毛布団をリフォームに出すとまずその羽毛布団は解体されます。その中からまだ使える羽毛とへたってしまった羽毛に分け、まだ使える羽毛に新しい羽毛をプラスして生地で覆えばもう一度新品の羽毛布団のような弾力や暖かさ、使い心地を再現できます。
布団屋さんや布団リフォーム専門業者などに依頼すれば、羽毛布団のリフォームは受け付けているところが多いです。
買い替えより費用を抑えられることも
羽毛布団は非常に高価ですが、リフォームをすれば新しい羽毛布団に買い替えるよりもお得な可能性が高いです。一度もリフォームをしていない羽毛布団、まだへたりが少ない羽毛布団、ダウン率が80%以上の羽毛布団は、リフォームを検討しましょう。
布団のリフォーム業者に見積もりを依頼して、新しく羽毛布団を購入するのとどちらがコスパがいいか比較してみることをおすすめします。
大切な羽毛布団をなるべく長く使い続けるコツは?
大切な羽毛布団は、きちんとお手入れすることで長く使い続けられます。 日々のお手入れ方法として覚えておきたいポイントを紹介します。
1. 布団カバーに入れて使う
羽毛布団は触り心地のいい生地のものも多いですが、長く使い続けたいのであればカバーに入れて使いましょう。
通気性のよいカバー、抗菌、消臭効果などのあるカバーを利用すれば、羽毛へのダメ―ジを抑え、さらに羽毛布団の生地のダメージも抑えられます。素材やデザインによって寝室の印象を変えることもでき、同じ羽毛布団でも長期間楽しみ続けられます。
2. 定期的に干す
眠っている間にかいた汗や熱、室内の湿気を羽毛布団は吸収します。そのままにしておくと羽毛布団のにおいやへたり、さらにはカビやダニの発生につながります。長く清潔に使い続けるためにも、羽毛布団は定期的に干しましょう。
風通しのよい場所で陰干しをするのがおすすめです。日当たりのいい場所に干す際は、上からカバーやシーツをかけておくといいでしょう。
3. 湿気がこもらないようにする
羽毛布団に湿気は大敵です。汗をかいたあとはすぐに羽毛布団をたたまず熱を逃すこと、定期的に干すこと、そして湿気の多い季節は布団クリーナーを使うなどの工夫をしましょう。
長期間使わない場合は、押し入れの湿気にも注意しなければなりません。押し入れは風通しが悪く、湿気も多くなりやすいです。
除湿剤を使う、さらに防虫、防カビのアイテムを使う、スノコを敷いて羽毛布団が直接押し入れに触れないようにするなどの工夫をしましょう。
4. クリーニングに出す
羽毛布団は洗濯機で丸洗いすることができず、お家でのお手入れが難しいアイテムです。長く大切に使いたいのであれば、クリーニングに出すことをおすすめします。
羽毛布団をクリーニングに出せば、プロのアイテムやプロの方法で羽毛布団にダメージを与えることなくきれいにしてくれます。季節の変わり目などには、羽毛布団をクリーニングに出すようにしましょう。
まとめ
羽毛布団の買い替えのタイミングや羽毛布団の寿命について解説しました。
羽毛布団は大切に扱えば十年以上使い続けられますが、もともとの羽毛布団の品質によっても寿命は大きく変わります。
そろそろ買い替え時かもしれないと感じたら、今回紹介した買い替えの目安も参考にしてみてください。
また、十分に使える羽毛布団であれば、買い替えではなくリフォームという方法もあります。こまめに正しいお手入れ方法を続けていた羽毛布団ならリフォームの方がお得に済むケースも多いでしょう。
イケヒコ編集部
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