布団のダニについては様々なグッズが販売されていたり、テレビなどでも布団の干し方についての特集を目にすることがありますが、枕に潜むダニについてはあまり注目されることはありません。 しかし、枕は顔や頭と密着するものですし、鼻、口、目などへの影響も気になるところです。そこで今回は、枕に潜むダニや、枕のダニの退治方法についてご紹介していきたいと思います。 

布団だけじゃない!枕に潜むダニにも注意

一般的に、布団に比べて枕に潜むダニの数は少ないことが多いのですが、だからといって全く枕にダニがいないというわけではありません。 では、枕に潜んでいるダニはどのような性質があり、私たちにどういった影響を与えるのでしょうか。枕に潜むダニにスポットを当ててみましょう。

枕に発生しがちなダニはヒョウダニ

「最近肌荒れが酷い」「最近顔がかゆい」などの症状から「これって枕のダニのせい!?」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それはいわゆる「顔ダニ」や「皮膚ダニ」と呼ばれるものが原因となっているのかもしれません。 ダニにも様々な種類がありますが、枕に発生しがちなダニは主に「ヒョウダニ」や「チリダニ」と呼ばれるダニで、1年じゅう生息はしているものの、人を刺すようなことはありません。そのため、ヒョウダニ(チリダニ)は直接人に危害を加えるわけではなく、その死骸や抜け殻、糞などが人体に影響を与えることになります。

ダニが発生することによる影響

では、ヒョウダニ(チリダニ)が発生するとどういった症状が起こるかというと、いわゆる「アレルギー疾患」と呼ばれるものを起こします。これは先ほどもお伝えしたとおり、ヒョウダニ(チリダニ)が起こすものではなく、その死骸や糞、抜け殻などがアレルゲンとなって起こるものです。代表的なものとしては、アレルギー性鼻炎や喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などが挙げられるでしょう。 そして、厄介なことにそんなヒョウダニが増えると、今度はヒョウダニをエサとする「ツメダニ」が発生することになります。ツメダニは人を吸血こそしませんが、人を刺すことがあります。刺された場合かゆみや腫れが起こります。そのため、枕も布団と同じようにダニへの対策をしておくととが大切です。 

ダニが発生する原因

そもそもなぜ枕や布団にはダニが発生するのか疑問に感じる方もいると思いますが、布団や枕本体は、私たちの身の回りにある者の中でもダニにとっては絶好の住環境といえる場所なのです。というのも、ダニは、人間のフケや皮脂、汗などをエサとしており、さらに暖かくて湿った場所が大好き。布団と同様に枕も私たちの体温や汗で暖かく湿った場所となっているので、ダニにとっては大変快適な環境というわけなのです。 ちなみに、ダニは暖かく湿った場所が好きなことからもわかるように、特に6月~9月頃に多く繁殖しやすいと言われています。しかし冬場でもエアコンなどで部屋が暖かく、加湿器などで湿度も保たれている場合は注意が必要です。

枕のダニの退治方法~洗える枕の場合~

ここからは枕のダニの退治方法についてお伝えしていきましょう。 枕のダニへの対処方法として最も効果的なものは、枕自体を「洗える枕」にすることです。「徹底的にダニが発生しないように対策をしたい」「そろそろ枕を変えようかと考えている」といった方は、ぜひ「洗える枕」の導入を検討してみてください。では、以下では「洗える枕」をお持ちの場合のダニの退治方法をご紹介します。

1.約60℃以上の温水で洗濯する

アレルゲンとなるダニの死骸や糞、抜け殻は溶けやすいという性質を持っています。そのため、洗える枕の場合は洗濯することでかなりの量のアレルゲンを除去することが可能です。 そして、一般的にダニは約50℃以上の環境になると死滅をはじめ、約60℃を超えると完全に死滅すると言われています。そのため、可能であれば約60℃以上の温水で洗濯することをおすすめします。ただ、素材によっては洗濯することはできても、温水での洗濯は難しい場合もありますので、詳しい洗濯方法については購入点やメーカーなどに問合せてみると良いでしょう。

2.約60℃以上の熱で乾燥させる

洗える枕の場合、枕を乾燥させる際に60℃以上の熱で乾燥させることができれば さらにダニの退治に効果的です。この場合、天日干しによる乾燥では60℃にはならず、また、ドライヤーによる乾燥も内部まで熱を届けることが難しいため、乾燥機を使って乾燥をすることになります。 こちらに関しても、乾燥機の使用が難しい素材もあるため、事前に確認しておくことが必要です。

枕のダニの退治方法~洗えない枕の場合~

本来であれば先に紹介した洗濯可能な枕を使うことが最もダニ対策として有効です。しかし、例えばウレタンやビーズ、そば殻といった洗えない枕の場合でも、洗濯以外の方法を使ってダニをできるだけ退治・除去することは可能です。 ここからは洗えない枕の場合のダニの退治方法について紹介します。

1.掃除機や布団クリーナーで吸い取る

まずひとつめは、布団と同様に掃除機や布団クリーナーを使って吸い取るという方法です。 ただし、この方法は基本的には枕の表面付近のダニの死骸や糞、抜け殻などのアレルゲンを除去することはできるものの、枕の中心部にあるアレルゲンや生きているダニを除去することはできません。 とはいえ、顔や頭に近い部分にあるアレルゲンをある程度除去することは可能ですので、布団だけではなく枕に対しても定期的に掃除機や布団クリーナーを使うことをおすすめします。なお、使用する際には、ゆっくりと時間をかけることを意識してみてください。

2.こまめに天日干しや陰干しをする

先にご説明したとおり、ダニは高温多湿の場所を好みます。そのため、枕を乾燥機に掛けられない場合でも、天日干しによって枕の中心部に溜まった湿気をいくらか低減させることが可能です。 ただし、ウレタンやラテックスといった素材の枕については日光に当たることで劣化する恐れがありますので、日陰での感想をおすすめします。 「ダニを退治する」という意味では天日干しや陰干しによる効果は高くないと考えられますが、ダニが好む場所を少しでも減らすという意味では有効な方法ですので、なるべくこまめに行うことを心掛けましょう。

3.枕カバーを変える

洗えない素材の枕や高温に弱い素材の枕をお使いの場合は、枕の外にダニやアレルゲンが出てくることを防げる、高密度の枕カバーや、ピロープロテクターと呼ばれるものを使用してみるのも良いでしょう。 これらの枕カバーやプロテクターであれば、多くの場合洗濯や乾燥ができますし、枕の内部にいるダニを外に出さないだけではなく、外から侵入するのを防ぐこともできます。 ダニ対策のために枕を変えたくない方や、お気に入りの枕をどうしても変えたくないといった方にはおすすめの方法といえるでしょう。

ダニ対策重視なら洗える枕がおすすめ

枕のダニを退治する方法としては、やはり洗える枕を使うことが最も有効です。洗えない枕を使われている方は、ここまでご紹介してきた方法で対処することももちろん可能ですが、これから枕を変えようと検討されている方であれば、寝心地に加え「洗濯できるかどうか」という点も枕選びのポイントに入れてみてください。 イケヒコ・オンラインショップでは様々な種類の枕も取り扱っております。洗濯できる枕については洗濯表示についても細かく解説しておりますので、枕選びでお困りの方は是非チェックしてみてくださいね。